■里親譲渡前にワクチン接種を行っています

 

当会では、原則として生後1.5ヶ月以上の猫を対象に、3種混同ワクチンを

接種の上、里親さんへ譲渡しています。

 

なお、ワクチン接種費用については原則里親ご負担でお願いしています。

 

*3種混合ワクチン接種費用は、当会提携病院様のご好意により

 ボランティア協力価格(通常の半額以下)にて行っていただいています。
 詳しくは、譲渡前にご説明させていただいております。

 

 また、下記のとおり、3種混合ワクチンでは、猫白血病ウイルスの予防効力は

 ありませんが、猫白血病ウイルスのワクチンを接種することによる副作用も

 危惧されます。
 里親さんになっていただく方で、猫白血病ウイルスのワクチン接種をご希望の

 場合には、お問合せ下さい。

 

◆ワクチンで予防できる4大伝染病

★三種混合ワクチン

 

 ◎猫伝染性腸炎(猫汎白血球減少症):パルボウイルスによる感染

 <原因>動物の排泄物(特に便)からの感染。
     人間の靴の裏について室内に入り感染することもあります。
 <症状>発熱して元気がなくなり、胃液や胆汁を吐く、下痢などの症状が

     起こります。
     白血球の減少により免疫力が低下し、他の病気を併発する恐れが

     あります。
     もっとも発症しやすい年齢は、生後2~5ヶ月です。
 <治療>ウイルスに対するインターフェロン、二次感染には抗生物質で治療

     します。合わせて、栄養剤や療法食による体力維持が大事です。

  *病気から回復した猫は、強力な免疫ができるので二度とかかることは

   ありません。
   強い生命力をもつウイルスのため、病気にかかった猫が使ったものは

   焼却処分するか消毒が必要です。
   この菌に利く消毒薬は、グルタールZがいいそうです。
   家庭のハイターでも濃度次第で効果があるようです。

 

 ◎猫ウイルス性鼻気管炎(ヘルペスウイルスⅠ型で風邪の一種:俗にいう猫風邪)

 <原因>感染猫との直接接触、くしゃみや咳で空気中に飛び散ったウイルスに

     よる飛沫感染。
 <症状>くしゃみ、鼻水、咳、口内炎、結膜炎などの症状が表れます。
     軽い場合は3日ほどで治りますが、症状が重い場合は40度以上の高熱、
     食欲不振、下痢を併発し衰弱して死に至ることもあります。
 <治療>ウイルスに対するインターフェロン、二次感染には抗生物質で治療します。
     合わせて、栄養剤や療法食による体力維持が大事です。

  *3種混合ワクチンでの予防は、100%ではないため、軽い症状が表れることも

   ありますが、死に至るような事態は避けられることが期待できます。
   再発の可能性が高く、長期間ウイルスを放出することもあるので要注意です。

 

 ◎猫カリシウイルス感染症

 <原因>感染猫との直接接触、くしゃみや咳で空気中に飛び散ったウイルスに

     よる飛沫感染、人間などを経由する間接感染。
 <症状>初期症状はくしゃみ、鼻水、咳、発熱と、ネコウイルス性鼻気管支炎に

     似ています。進行すると舌炎や口内炎ができ、肺炎を併発して死に至る

     こともあります。 
 <治療>ウイルスに対するインターフェロン、二次感染には抗生物質で治療します。
     合わせて、栄養剤や療法食による体力維持が大事です。

  *3種混合ワクチンでの予防は100%ではないため、軽い症状が表れることも

   ありますが、死に至るような事態は避けられますことが期待できます。

 

★白血病ワクチン

 

 ◎猫白血病ウイルス感染症

 <原因>唾液にウイルスが多く含まれているため、ケンカ、グルーミング、

     食器の共有などで感染。
 <症状>感染後2~4週間で発熱、元気がなくなるなどの初期症状が起こります。
     一度症状は収まりますが、数週間~数年後に再度発症し、死に到ることも

     あります。
     白血病の原因となったり、免疫力が低下し、流産や腎臓病、リンパ腫等の

     病気の原因にもなります。 
 <治療>抗生物質やインターフェロンで、病気の進行を遅らせます。

     腫瘍、口内炎、下痢などへの対症療法が主体の治療になります。

  *専用ワクチンで予防できますが、感染した猫との接触を避けるのが何よりの

   予防法です。
  *免疫機能未発達な生後1.5ヶ月未満の子猫には接種できず、また母猫の初乳

   による移行抗体が残存する時期ではワクチンを接種しても十分な効果が得られ

   ないことが多いようです。


 ※ワクチンは、子猫の場合は初回を生後2~3ヶ月で1度、2~4週後に2回目を

  行って下さい。
  成猫は、毎年1回の摂取を行って下さい。
  免疫機能が低下している時に接種した場合は発病する事もあるので

  摂取前の問診や健康診断は非常に重要です。
  なお、摂取後2~3日は安静に努め、激しい運動、シャンプーなどは避けること

  が望ましいです。
  また、2~3週間は他の動物との接触を避けましょう。

  (免疫力がつくまでにおよそ2週間かかります。)

 

◆ワクチンのない伝染病

◎猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)

<原因>猫同士の接触によるもので、ケンカなどのかみ傷から感染する場合が

    大半です。 
<症状>感染しても発症しない場合もあり、無症状キャリアといわれます。
    病気が発症すると、初期には発熱やリンパ節の腫れ、病状が進行すると

    悪性腫瘍、慢性的な下痢、体重減少、貧血などの症状が現れます。
    特に多いのが口内炎で、口の中に潰瘍ができたり、口臭やよだれが

    目立ってきます。
    末期には白血球の数が減少して免疫力が落ち、他の病気を併発して

    死亡する危険が高くなります。
<治療>完全な治療方法はなく、抗生物質やインターフェロンで、併発した病気の

    症状を和らげます。

 

◎猫伝染性腹膜炎(コロナウイルス)

<原因>発病している猫から排泄されただ液、鼻水、便、尿が直接または間接的に

    口や鼻から感染します。
    感染した猫のうちの数%が発症しますが、一旦発病するとほとんどが

    死に至ります。
<症状>発症した猫のほとんどが胸やお腹に水がたまる滲出型です。

    水がたまらない非滲出型は、お腹の中にシコリができたり
    中枢神経や目に症状が出て、麻痺や痙攣、失明することもあります。
<治療>インターフェロンやステロイドを使い、合わせて対症療法を行います。

 

◎ネコ伝染性貧血(ヘモバルトネラ症)

<原因>ノミ・ダニが媒介するといわれているヘモバルトネラに感染。 
<症状>元気・食欲がない、発熱、貧血をおこし、肝臓や目や口の中の粘膜が

    白っぽくなります。軽い黄疸や、呼吸困難がおきることもあります。 
<治療>ヘモバルトネラには抗生物質、貧血には輸血やステロイドなどによる

    内科療法を中心に治療します。

 *予防感染経路がはっきりと解明されていないため確実な予防法はありませんが

  駆虫はしっかりと行いましょう。

 

◎トキソプラズマ症

<原因>トキソプラズマに感染しているネズミや小鳥などを補食することで感染。
<症状>リンパ節炎、網膜炎などをおこしますが、発症まではめったにありません。
    子ネコなどの抵抗力のないネコが感染すると、咳、呼吸困難、下痢、発熱

    などの急性の症状が表れ死に至ることもあります。 
<治療>抗菌薬などによる内科療法を中心に治療します。
<予防>トキソプラズマに接触する機会を減らすために、完全室内飼いし、

    生肉を与えないことが一番の予防法のようです。