FIV(猫免疫不全)ウイルス感染症≠猫エイズ

 

FIVウイルスは、猫のエイズウイルスと呼ばれます。

 

これは最初に人間のエイズに似た病気を発症した猫で発見されましたが
その後の研究でHIVとは別のウイルスであることがわかりました。

 

感染した猫の全てがエイズになるわけでもないことも判明しています。

 

従って、このウイルスに感染した猫全てを「猫エイズ」と呼ぶのは不適切です。

 

さらに、FeLV(猫白血病)ウイルスと似た病気を起こすことも多く
両者が正しく区別されないこともあります。

 

このウイルスに対する正しい知識を身につけ、正しい対処法を行う必要があります。

FIVウイルスに対する完全な治療法はなく、有効なワクチンもありません。

 

 

【発症した場合の治療】

 併発した病気の症状を和らげるに留まっています。
 無症状キャリアーのまま発症せずに寿命を全うするようなケースもあります。

 

 杉並区獣医師会の見解でも、前述したとおりFIVそのものの発症と
 FIV関連症候群(無症状キャリアー期とエイズ発症期の端境期では軽い症状だけ出る)

 は別物であり、エイズ関連症候群は適切な治療さえ施せば、治癒は可能で諦めずに
 治療することを勧めています。
 

 そして、たとえ無症状キャリアーの時期であってもウィルスの活動は続いているため
 他の猫への感染源になってしまう危険も示しています。

 

 なお、もうひとつ免疫力を弱める感染症にFeLV(猫白血病)ウィルスの感染があり
 FIVとこのFeLVウィルスが混合感染すると、その免疫力低下は単独感染に比べて
 早く激烈に起こるため、絶対に混合感染は避けるよう注意喚起しています。